Linux技術者認定機関の世界的なリーダーであるLinux Professional Institute (LPI)は、世界で最初のLPICレベル3「Core」認定技術者として日本の市川和史氏を発表しました。加えて、LPICレベル3「Specialty」認定を世界で最初に受けた台湾のTzu-Wei Hsu氏、LPICレベル3「Core」およびLPICレベル3「Specialty」の両認定で最初の「ベータ」試験に合格したドイツのMichael Gisbers氏を発表しました。
LPICレベル3は、IT業界における特定のLinuxディストリビュータに依存しない最高技術レベルのLinux認定であり、エンタープライズレベルの技術サービスを提供するLinux技術者を対象としています。
LPICレベル3「Core」認定は1つの基本試験(LPIC Level3 301 Core Exam)から構成されています。その上に複数の専門(Specialty)試験が準備されています。「LPIC Level3 302 Mixed Environment Exam」が最初に実施された専門(Specialty)試験となっています。
2007年1月のLPICレベル3プログラムの開始後まもなくレベル3に認定されるIT技術者が生まれるだろうと指摘していたLPIの会長兼CEOのJim Lacey氏は、エンタープライズレベルのこの認定の業界に対する価値について次のように述べています。
「IT業界においては、かねてよりエンタープライズレベルのスキルを証明したいという強い要望がありました。それに応えるため、我々は関連プログラムと現在の体制を作り上げて参りました。その結果、世界中の政府機関や民間機関、個人の技術者がこのLinux技術者認定の最上位認定であるLPICレベル3を続々と取り入れています。公共および民間の両機関においてオープンソースを採用することを目指し、安定的に成長するプラットフォームの提供を保証するためには、LPICレベル3の認定の取得は必然のステップといえます。」
株式会社クエスト(代表取締役社長:佐藤和朗、JASDAQ上場)のシステムエンジニアである市川和史氏は、「LPICレベル3認定を得ることは、自身のキャリア開発にとってもまた顧客にとっても重要なことです。」と述べました。
「私の会社では、社員がLPICの認定を取得することを推奨していますが、それはLPIC取得がLinuxビジネスを推進する上で重要な部分を占めると考えているからです。また、LPICレベル3認定には、LDAPの内容がかなり詳しく含まれています。そのため、LDAPに対する高いレベルのサポートやサービスを必要としている重要な顧客には、この認定によってこの分野での自分のスキルレベルを示すことができます。」市川氏は、現時点ではLPICレベル3のトレーニング資料がほとんどないため、インターネットを活用して自習することで試験に備え、また、試験の対象になっている特定の技術分野については書籍を利用したとのことでした。
また、台湾のITインストラクタであるTzu-Wei Hsu氏は、LPICレベル3認定の意味について、次のように述べています。
「LPICレベル3認定は、Linuxについての上級スキルと経験を示すことができる素晴らしいデモンストレーションといえます。私は大学時代からLinuxを学習してきていますが、私の学生にもLPI認定を取得するように勧めています。」
LPICレベル3「Core」認定(LPIC-3 Core)は、認証、トラブルシューティング、ネットワークインテグレーション、キャパシティプランニングのスキルを対象としています。
このCore認定には、Specialty認定(最初のSpecialty認定はLPI-302 Mixed Environment)を加えることができます。Specialty認定として他に、Security、High Availability and Virtualization、Web and Intranet、Mail and Messagingが現在策定中となっています。なお、LPICレベル3プログラムの詳細、試験対象、課題や質問例については、http://www.lpi.or.jp/lpic3/index.shtml または http://www.lpi.org/lpic-3 をご覧ください。
301試験(LPIC Level3 301 Core Exam)と302試験(LPIC Level3 302 Mixed Environment Exam)は、世界中のプロメトリックとVUEのテストセンターで英語と日本語(日本のみ)で受験することができます。301試験の受験料は、日本では31,500円(税込み)となっています。302試験については、日本では21,000円(税込み)です。
LPICレベル3認定プログラムは世界中の延べ300人を超えるITプロフェッショナルのボランティア協力によって開発されました。この試験の開発にあたっては、オーストラリア、ブラジル、カナダ、ドイツ、日本、南アフリカ、英国、アメリカにおいて「ベータ」試験が実施されました。このベータ試験は、試験問題と目標の整合性を確認するために必要な最高品質の計量心理学データを得るために行われました。「ベータ」プロセスでは、最終試験で優秀な成績だった18人にLPICレベル3「Core」認定(LPIC-3 Core)と11人にLPICレベル3「Specialty」認定(LPIC-3 Specialty LPI-302 Mixed Environment)が与えられました。
LPICレベル3認定の両方を得るために最初の「ベータ」試験に参加したMichael Gisbers氏は、次のように称賛しています。
「この革新的な試験の開発プロセスに参加する機会に恵まれたことに感謝しています。LPIは、この試験がIT技術者のニーズに合っていることを十分に確認しています。また、この「ベータ」プロセスには、IT技術者が試験の品質に関与する特別な機会があるという透明性も確保されていました。加えて、LPICレベル3の認定を得たことは素晴らしいボーナスでした。」
Linux Professional Institute (LPI)は、IT業界、企業や技術者によって、また、政府や教育現場において世界的に支持されています。LPIの認定プログラムは、7,000箇所を超える世界中の試験会場で様々な言語で実施されており、5大陸に広がる提携ネットワークによって運営されています。
プログラムの開始以来、LPIにおける全世界の受験者総数は延べ145,000人を超え、LPIC認定者は、45,000人を超えています。
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