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LPICレベル3認定試験とLPICプログラム

こちらでは2007年9月21日に発行されたメールマガジン【LPICレベル2・レベル3を受けてみよう!】の寄稿記事の全文を掲載しております。 メールマガジンについての詳細はこちらからどうぞ。

LPI-Japanスペシャルコラム〜『LPICレベル3認定試験とLPICプログラム』

2007年9月21日

2007年1月に開始された『LPICレベル3認定試験』はLPIの認定プログラムの頂点であり最上位資格です。
そこで、LPICレベル1からLPICレベル3までの試験の全体像、各レベルにおいて必要とされる技術や想定される技術者像、学習の指針などについて、このコラムでご紹介しましょう。

LPIC試験の構成と概要

試験の構成

まず、LPIC試験全体の構成と概要を確認しておきましょう。(右の図をクリックすると拡大します。
LPICレベル3が開始されたことで、当初予定されていたLPIC試験の全体像がより明確になってきました。
LPICレベル1からLPICレベル3までの試験がそれぞれ想定しているエンジニア像を考えてみましょう。

LPICレベル3は全体を通して、キャパシティプランニング、コアのネットワークサービス、トラブルシューティングを含んでおり、より実践的なスキルを身につけていることを要求しているといえます。
このように、LPIC試験のレベルは通常の業務と同様、まずは運用管理などの下流工程のスキルから、徐々にスキルを高めてシステム全体の設計や構築を行う上流工程へとスキルアップ、レベルアップしていく形を取っています。 ただ単純に知識を問うのではなく、実務に即して必要となるスキルを認定するという考え方がLPICの試験だということを意識しながら学習する必要があるでしょう。

想定しているエンジニア像
LPICレベル1 ファーストレベルLinux 専門家。
Linuxの基本的な操作とシステム管理が行える技術者。
Linuxディストリビューションを利用するために必要な知識を幅広く問う。
LPICレベル2 アドバンストレベルLinux 専門家。
Linuxによるシステム構築、ネットワーク構築が行える技術者。
Linuxの応用的なシステム管理やサーバ構築ができるために必要な知識を問う。
LPICレベル3 Core シニアレベルLinux 専門家。
Linuxを使って、より大規模なシステムや踏み込んだ用途向けのシステムの構築が行え、Linuxとディレクトリによる認証システムの構築、システムのシステムのキャパシティプランニングが行える技術者。
LPICレベル3 Specialty Mixed Environment シニアレベルLinux 専門家。
Linuxを使って、より大規模なシステムや踏み込んだ用途向けのシステムの構築が行え、LinuxとSambaなどによる混合環境の構築が行える技術者。

LPIC プログラム全体像と各試験レベルの関連性

LPICプログラム

LPICのプログラムは、右の図のように、各レベルが完全に独立しているわけではなく、関連性を保ちながら、より深いスキルのレベルを追求するようになっています。
例えば、「セキュリティ」という出題に関しても、LPICレベル1ではSystemに閉じた領域から、LPICレベル2ではネットワークでの領域、LPICレベル3ではエンタープライズ規模での領域と進んでいきます。
そのため、LPICレベル1で出題される内容とLPICレベル3で出題される内容を完全に切り離すことはできず、連続性を持って繋がっています。
当然、LPICレベル1よりもLPICレベル3の方が深く突っ込んだ詳細な内容について出題されます。しかし、LPICレベル1からLPICレベル2、LPICレベル2からLPICレベル3へと学習を移行してスキルを高めていく課程と連動しているので、着実にスキルを身につけていれば、恐れる必要はないでしょう。
このような関連性をきちんと意識して、すでに学んだことを、より深め、極めていくつもりで学習することが、スキル向上のための近道といえます。

各レベルの試験がカバーしている範囲とスキルレベル

各レベルの試験カバレッジ

LPICの試験は、レベルが上がる毎にカバーしている範囲が広くなっていきます。
それを表したのが右の図です。
この図にもあるように、LPICレベル1の段階ではまず運用管理に必要となるスキルである操作やネットワーク関連に重点が置かれており、セキュリティなどについては割合が低くなっています。
LPICレベル2になるとカバーしなくてはならない範囲がより広くなります。それでも、ファイルシステムやキャパシティプランニングなどの分野についてはそれほど多くは求められていません。
これがLPICレベル3になると、すべての領域において、最も高いスキルレベルが要求されるようになるので、LPICレベル3認定を受けているということは、幅広いスキル領域に置いて一定上の技術力を持ったエンジニアであるということが証明されるわけです。
現在のシステムでは、知っておかなくてはならない知識が数多くあるため、特に初学者の場合にはどこから手を付けて良いか分からない、ということが多々あるのではないでしょうか。
LPICの試験範囲は、業務分析に基づいて必要となるスキルを定めているため、これを学習指針とすることで業務に必要となるスキルを身につけることができるといえます。
何を勉強すればよいか迷ったら、LPICの出題範囲を参考にすることをお勧めします。

混在環境におけるLPICのスキルの位置づけ

混在環境におけるLPICのスキルの位置づけ

現在のエンタープライズレベルのシステム環境においては、Linuxだけではなく、その他のオープンな技術との混在環境でスキルを発揮できることが求められています。 それではLPICを取得している技術者は、どのようなスキルを身につけていると言えるでしょうか。

右の図が示す通り、LPICレベル3の試験で出題されているLDAPやSambaといったソフトウェアは、突然出題されたわけではなく、LPICレベル1、LPICレベル2といった枠組みの中でも、そのレベルの技術者が知っておいて欲しい程度の難易度で出題されており、LPICレベル3はその延長線上にあります。

Sambaであれば、LPICレベル1ではSambaやNFSの基本的な考え方の程度を、LPICレベル2ではより詳細な活用方法を、そしてLPICレベル3ではより広範なSambaの知識と、レベルが上がる毎に、深く広いスキルが要求されるようになっています。

それらのラインの他に、LPICレベル2ではシングルサインオン認証に必要なKerberos認証について、さらにLPICレベル3ではWindows環境との混在で要求されるActive Directory環境との混在など、Linuxにとどまらないオープンで実践的なスキルが求められているといえます。

LPIC全体像とLPICレベル3の位置づけ

LPIC全体像とLPICレベル3の位置づけ

あらためて、LPICレベル3の位置づけを考えてみましょう。

LPICレベル1は言うまでもなく、Linuxを扱う技術者に最低限要求される操作やシステムの基本的な管理方法について出題されます。
LPICレベル2は、さらにシステム構築の上流において要求されるサーバ構築やシステムの運用管理について出題されます。つまりLPICレベル2を取得していれば狭い意味でのLinuxシステム管理者としては一定のレベルに達していると見なしてよいでしょう。

LPICレベル1、LPICレベル2は「技術者として要求されるスキル」を満たしているかどうかを確認する試験であるといえます。
それに対して、LPICレベル3で要求されているのは「技術者としての付加価値」、プラスアルファの要素です。
たとえば、キャパシティプランニングはシステムの設計や運用を行うにあたって、上流行程の設計者として知っておいて欲しい知識です。
また、トラブルシューティングは運用マニュアルに載っていないトラブルを解決できる、より自立性の高い技術者に要求されるスキルです。
LPICレベル3が想定している技術者とは、単なる知識だけでなく、経験に裏打ちされた本当のスキルを身につけている技術者です。

LPICレベル3に到達することが技術者としてのゴールでは決してありませんが、技術者として付加価値の高いスキルを身につけた技術者として認められることは間違いありません。

技術者としての活躍の幅を広げていくためにも、是非LPICレベル3に挑戦してみてください。

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