HOME特別インタビュー/寄稿記事LPI-Japan試験開発ワーキンググループに聞く

LPI-Japan試験開発ワーキンググループに聞く

こちらでは2006年9月8日に発行されたメールマガジン【LPICレベル2を受けてみよう!】の寄稿記事の全文を掲載しております。 メールマガジンについての詳細はこちらからどうぞ。

特別インタビュー
〜LPI-Japan試験開発ワーキンググループに聞く『Level3試験の開発の最新動向』

2006年9月8日

今回は特別企画として、現在開発が行われているLevel3試験の現状について、LPI-Japanで試験開発に関する活動を行っている試験開発ワーキンググループの担当理事の方々にお話を伺いました。

お話を伺った方々(順不同・文中敬称略)
  • 嘉村健氏(富士通株式会社)
  • 鈴木敦夫氏(NECソフト株式会社)
  • 鈴木友峰氏(株式会社日立製作所)
  • 高澤真治氏(日本SGI株式会社)

聞き手:宮原 徹(株式会社びぎねっと)

試験開発ワーキンググループの活動について

(聞き手):まず始めに、試験開発ワーキンググループ(以下、試験開発WG)に新たにお二人の理事が加わったということで、簡単に自己紹介をお願いできますか?

高澤真治氏
高澤真治氏

(高澤):私は2006年6月の総会で理事に選任され、試験開発WGの活動に加わるようになりました。LPI- Japanの理事の他にも、OSS基盤整備事業の専門委員など、オープンソース関連の普及活動に携わっています。実はLPI-Japanの創設時にも色々とお手伝いをしておりましたが、一時期離れていて、今回あらためて理事として活動することになりました。

  • 注)高澤理事は2006年9月1日発行のメールマガジン【LPI通信】に、サンフランシスコで開催された「Linux World Conference & Expo 2006 inSan Francisco」のレポートを寄稿していただいています。
鈴木友峰氏
鈴木友峰氏

(鈴木 友峰):私も同じく新たに理事になりましたが、高澤さんと同様、LPI-Japanの創設時に2年ほど関わっていたので、また戻ってきたという感じです。LPI-Japanの活動の他には、IPAのOSS推進センターの研究員としての活動も行っています。私が以前関わっていた頃は、試験のレベルをどのように組み立てていくかという議論をしていた段階でしたが、現在ではLPICはLinux技術のスタンダードの認定資格として広く認知され、取得者数も非常に多くなったことに驚いています。

(鈴木 敦夫):試験開発WGの活動については以前のインタビューでもお話しましたが、日本における試験問題に関わる活動全般を行っています。 現在の主な活動は新たな試験であるLevel3の開発が中心になっています。

Level3試験開発の背景

Level3試験の開発を行うことになった背景について教えてください。

Linux自体の広まり、特にエンタープライズ分野への普及が大きく背景にあります。以前に比べるとLinux技術者も増えていますし、それにつれてLPIC取得者数も増えました。 このようにLinuxが普及し技術者のニーズが拡大する中で、より高度な人材が求められてきています。エンタープライズ分野で必要とされる高度な技術を身につけている技術者を育成し認定するために、Level3試験が必要とされています。

これまでの開発状況を教えてください。

(左)嘉村健氏、(右)鈴木敦夫氏
(左)嘉村健氏、(右)鈴木敦夫氏

2006年3月にLevel3試験の開発について発表を行いました。Level3の開発は、日本からの強い要請に基づいて推進されてきたと言えます。日本ではLinuxのエンタープライズ用途のニーズが高いですから。
試験の開発自体は、これまでのLevel1、Level2と同様に多くのボランティアに支えられて開発が進められています。ですから、開発には誰でも参加できます。我々としては、企業内で実践的にLinuxを使っている人に、是非参加して欲しいと思っています。

情報はWikiで公開されているので、Level3試験開発に興味のある方、参加してみたい方は是非ご覧ください。

現在開発が行われているのは、「File&Printing Sharing」(※筆者註:Sambaについて)と「Authentication」(※筆者註:LDAPについて)の2つになります。 それと並行して、Level3の全体像についても策定中です。

全体像とは?

Level3認定を受けた人に求められる人材像とでも言えばよいでしょうか。
その人材像が身につけているであろう、具体的なスキルを実際の試験内容にどうマッピングしていくのか、いわゆる「スキルマッピング」を行うために、議論を進めています。

具体的に、Level3試験が期待する技術者像はどのようになりますか?

コンピュータシステムの実務に携わり、活躍している人ですね。
運用管理や構築など、システムアドミニストレーターの業務に就いている人を想定していますが、Level3を持っていると、仕事において「こういうことができる、こういうことに向いている」と分かるような試験にしていきたいと考えています。
このような人たちの本当の実力を客観的に知らしめることができる試験がLevel3なのです。
Level3試験の開発によって、見えにくい人材価値を顕在化していき、優秀な人材を輩出していきたいと考えています。
Level3試験ができることで、ベーシックなLevel1、中級のLevel2と合わせて、LPIとして求めるLinuxプロフェッショナルの完成形ができあがると思います。
また、Level3まで認定された方は、より自信を持って、Linuxをお客様に勧めていくことができるようになると思います。
LPICの「ベンダーニュートラル」や「世界標準」といった特徴が評価され、「必要とされる技術者なら持っている資格」になることを期待しています。

今後の展望

Level3試験を見据えて、今後の課題を教えてください。

LPICは、形ばかりの資格は目指していません。実務に沿った、最新のトピックに対応できる技術力の証として、継続性も重要だと思います。 さらに、LPIC合格者が「知ってます」から「使えます」といえる技術力をきちんと備えていくようにすることも重要でしょう。

今後の活動について教えてください。

試験開発はそんなに簡単ではないですし、議論すべき点は多いと思っています。
Level3の試験開発のプロセスにはやらなくてはならないことが多いのですが、活動スキームがボランティアに支えられていますので、目標時期の2006年12月までに完成させるのはたやすくありません。枠組み(全体像)の策定と、試験としてはバージョン1をリリースすることが最初の目標になると思います。
試験自体も発展していかないといけないですし、大変さは継続していくでしょうね。

最後に、皆さんの今後の抱負をお聞かせ下さい。

(鈴木 友峰):(帰ってきた)新人なので頑張ります(笑)。
(高澤):「NPO的な運営」と、「透明性ビジネスとの棲み分け」を重視した活動を目指していきたいと思います。
(嘉村):Level3試験の配信は、今年度の活動の大きな柱なので、頑張りたいと思います。
(鈴木 敦夫):Level3試験の開発によって、優秀な技術者を輩出していきたいと考えています。

お忙しいところ、ありがとうございました。

聞き手および構成:宮原 徹(株式会社びぎねっと)

その他の特別インタビュー&コラムはこちら

このページのトップへ