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あなたにも作れるLPICの試験問題

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特別インタビュー〜あなたにも作れるLPICの試験問題

2005年8月26日

今回は、LPICの試験問題作成に関わるLPI-Japanの試験開発ワーキンググループで活動されているNECソフト 鈴木 敦夫さん、LPI-Japanの永野 篤さんに、試験問題の作成についてお話を伺いました。

LPICの試験問題はどのように作成されているのでしょうか?

左より、LPI-Japan永野 篤氏、NECソフト鈴木 敦夫氏
左より、LPI-Japan永野 篤氏、NECソフト鈴木 敦夫氏

試験問題はLPIの本部が開発を行っています。試験の開発を行うコミュニティがあり、ボランティア参加を中心に、メーリングリストなどで議論を通して開発しています。

言葉は英語ですが試験開発のコミュニティ活動はワールドワイドに広がっており、本部のあるカナダ、アメリカだけでなく、ヨーロッパやもちろん日本からも参加されている方がいらっしゃいます。LPIに貢献した人のリストには日本人の名前もあります。

個々の問題の作成はこのボランティアの方々が作成し、その後本部で精査して最終的に出題される問題になります。この際にサイコメトリックの手法を取り入れて出題されるようになります

サイコメトリックとは何ですか?

心理学的手法の一種です。LPICの出題では問題の出題配分を設計していく時にこの手法を取り入れています。目的は、受験者が合格レベルにある一定の技術力を持っているかどうかを見極めることにあります。

LPICの試験は「100点」を取るためにできているわけではありません。広範な一定の知識に加えて、特定の詳しい分野があれば合格レベルに達していると判定できるようになっています。各人の得意分野は違うわけですから、ある人にとっては難しくても、ある人にとっては当たり前なこともあると思います。その辺りを加味して判定するようになっているわけです。

そのあたりを踏まえた勉強法はありますか?

試験範囲は広範囲ですが、比重配分については公開しています。それらを参考にしつつ、自分に足りない部分を埋めることでスキルアップに繋がるのではないでしょうか。「試験範囲」は勉強していくための一つの指針と捉えてもらえればと思います。

試験問題作成に対するLPI-Japanの取り組みを教えてください。

試験作成はワールドワイドに行われていますので、その方向に合わせる形で試験開発ワーキンググループを昨年立ち上げました。日本の受験者の意見を反映した、日本国内での試験開発をサポートしていくことを主な目的としています。

主な活動としては、実際に試験問題作成を行う「アイテム・ライティング・ワークショップ(試験問題作成ワークショップ)」があります。これは問題の原石ともいえる、実際の試験に採用される問題の卵を作るための集まりです。第1回目を2005年4月に、LPI本部の試験開発マネージャも参加して開催しました。2回目は2005年6月のLinuxWorld Expo/Tokyo 2005内で開催しています。

アイテム・ライティング・ワークショップはボランティアの方に参加してもらう集まりで、問題の作成方法からいい設問の例などを解説します。細かいところでは、文章の長さや選択問題、記述問題といった問題形式、選択肢の意味合い、ピリオドの打ち方まで解説します。面白いところでは、問題作成に対する心理学的なアプローチです。これはつまり、「受験者はどうやって解くのか」ということを考えながら試験問題を作成するということです。

問題作成についての解説の後、実際に参加者の皆さんに問題を作成していただき、その後お互いにレビューを行います。アイテム・ライティング・ワークショップで作成した問題は、その後、品質やサイコメトリック等のチェックを経て、良いものは最終的な試験問題となります。

今後の活動を教えてください。

9月9日(金)・10日(土)に3回目のアイテム・ライティング・ワークショップを開催予定です。是非、実務に就いている方に参加していただければと思っています。参加する中で、現場で知っていて欲しいことを盛り込んだり、自分の経験や失敗談、問題解決の方法をふまえて試験問題を作って欲しいと考えています。

作る側にまわることで、立場が変わって面白いですし、やってみると結構難しい新しい体験だと思います。それと、問題作成後のレビューで議論が出来るのが楽しいですね。最近はあまり技術的な議論ができる機会がなくなってきていると感じます。アイテム・ライティング・ワークショップで「どういう技術者がLPICレベル1のレベルに相応しいのか」という、一種の理想的技術者像を議論して欲しいですね。

そして、このような活動を通じて、技術者のレベルを向上させていきたいと考えています。レベルを上げると言うことは、知識を身につけるということだけでなく、考え方を鍛えるということ。そのためのプロセスを提供する場としていきたいと思います。

このような活動に興味を持ってくれる人、趣旨に賛同してくれる人は、是非アイテム・ライティング・ワークショップに参加してください。

  • ※試験開発ワーキンググループやアイテム・ライティング・ワークショップへのお問い合わせはexamination@lpi.or.jpまでどうぞ。

聞き手および構成:宮原 徹(株式会社びぎねっと)

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