HOMELinux道場Linux道場Linux学習環境構築編第4回 仮想マシンを利用する

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第4回仮想マシンを利用する

セミナーなどの際に質問の多い、Linuxの学習環境構築について、いくつかのテーマについて解説していきます。今回は学習環境構築の選択肢として紹介した「仮想マシンを利用する」について解説します。

1回目に、以下のように解説しました。

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C) 仮想マシンを利用する
仮想マシンを利用すれば、Windows上でLinuxを動かすことができるので、比較的簡単に環境が構築できます。ただし、仮想マシンソフトウェアについて理解するのはなかなか大変です。特にハードウェア周りの細かい設定や、ネットワーク接続方法などに独特の知識が必要となるので、コンピュータ自体に詳しくない初学者には最初から覚えないといけないことが増えてしまうのが難点です。また、Linuxを複数動作させてサーバー、ネットワークの学習をしたい場合、メモリが少なくとも2GB、できれば4GBほど搭載していて欲しいので、古いマシンを使用している場合には条件が厳しくなります。
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仮想マシンを利用すると、1台のPCで複数のサーバーを動かすことができるので、たとえばDNSやメールといった複数サーバーが必須となるサービスを学習するために何台ものマシンを用意する必要がありません。仮想マシンには他にも多くのメリットがありますが、初学者が仮想マシンを利用するには、以下のようなハードルがあります。

  • メモリが多めに必要

仮想マシンを複数動作させるためには、マシンにメモリが多く搭載されている必要があります。たとえば仮想マシンに768MBずつ割り当てたとして、ネットワークを構成するには最低でも3台は仮想マシンを動かしたいので、大体2GBぐらいのメモリが必要です。さらに仮想マシンソフトウェアを動かすためにはホストとなるOSが必要なので、合わせると大体4GBぐらいのメモリが必要でしょう。最近のマシンであれば、最初から4GBメモリ搭載のものが多いですが、古いものだと1GBか2GBぐらいしか搭載しておらず、複数仮想マシンを動作させるのは困難です。

また、もしメモリ増設が可能だとしても、古いマシンだと規格の合うメモリが見つけにくかったり、そもそもどの規格のメモリを購入すればよいか分からなかったりといった課題が残ります。

  • 仮想ネットワークの設定が分かりにくい

仮想マシンをネットワークで接続するには、仮想ネットワークの設定が必要です。物理マシンを使用している場合には、ネットワークインターフェースをケーブルでスイッチに接続するだけですが、仮想マシンの場合には、接続形態が複数あり、目的に応じて設定を変更する必要があります。たとえば、仮想マシンだけで接続するのか、外部の物理マシンと通信させるかによって設定が変わります。

その他、仮想マシン特有の使いこなしや、万一不具合が発生した場合のトラブル解決など、初学者には難しい課題が多く、単独で仮想マシンを使ってサーバー学習を進めるのは、いきなりは難しいでしょう。まず仮想マシンソフトウェアそのものについて理解を深めた後に、まずはLinuxを単独(スタンドアローン)で使用。その後、複数台構成とステップアップすることをお勧めします。

宮原 徹

コラム執筆/宮原 徹

中央大学法学部法律学科卒。
日本オラクル株式会社でのLinux版Oracleのマーケティングに従事後、2001年株式会社びぎねっとを設立。Linuxをはじめとするオープンソースの普及活動を積極的に行い、IPA「2008年度 OSS貢献者賞」を受賞。
LPIC関係の活動では、『Linux標準教科書』『Linuxサーバー構築標準教科書』の監修、執筆や、LPI-Japan発行のメールマガジンにも例題解説などを寄稿している。

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